2012年11月23日金曜日

ごぼう


11月の下旬。ようやく宇都宮市内で紅葉はしていて、日が早く暮れて来たのに実感するようになった今頃。山々のてっぺんがうっすらと雪に覆われている光景も見える。日によってうんと寒かったり、ぽかぽかしたりしている。宇都宮らしい秋だ。

普段あっちこっちへ英語を教えに通勤で何時間も費やしている僕にとって、木曜日はゆっくりする唯一の日だ。そして、もっとも楽しみにしているのは畑仕事。その季節その季節の変化を一番よく伝えてくれるのは自然界だと思う。畑は毎週のようにすこしずつ変わって、いつの間にか新しい変化を教えてくれる。今月は紅葉観賞とともにごぼうの収穫。

ごぼうって、収穫するのはこんなに大変なものとは知らなかった。初めてなので、手取り足取りで先生が掘り方を丁寧に教えてくれる。ごぼうの両脇に深い溝を掘って少しずつ周りの土をどかす。充分柔らかくなったら抜いてみる。ただ、それが出来るまでは結構深く掘らなければならない。途中でぼきっと割れてほしくないからだ。掘れば掘るほど柔らかい表土が固い粘土になっていく。汗が沸き、ごぼうの根っこの長さにおったまげる。「いったいどのぐらいあるだろう?」と思い始めながらも、根っこはいっさい細くならない。抜いてみる。折れてしまう。やばい。でも仕方がない。その日、先生が言ったことは一つ記憶に残る。「堆肥しかやっていないのに、これだけ太くなったごぼうはきっと味がうまいだろう」と。

自然は凄い。ごぼうの力も凄い。土が固い粘土でもちゃんと貫いていく。太く太く貫いてゆく。ごぼうは食べ物でもあり、土をおこす機械でもある。でも、自然と言うもののペースがある。焦らない。めげない

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